一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 万が一また離れ離れになるようなことがあってももう私は未来を疑わないだろう。



 私が目を覚ましたのはすっかり陽が高くなってからだった。

 明け方近くまで触れ合えなかった時間を埋めていたのだから寝坊も当然だと思いたい。

 今日が出勤日ではなくて本当によかった。深冬だって社長なのに妻を愛しすぎて遅刻するのは困るだろう。いや、深冬のことだから気にしないのかもしれない。彼は私が関わるとかなり盲目になるようだから、妻として気を付けていかなければならなそうだ。

 全身を心地よく包む倦怠感から大きく腕を伸ばすと、隣にいた深冬に当たってしまった。

< 257 / 261 >

この作品をシェア

pagetop