一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「お前が俺を求めるまで諦めるつもりはない」

 彼の唇が近付いて、私の唇に決意を刻んでから離れた。

 保っていた糸がふつりと私の中で切れ、身体の力が抜けてその場にへたり込む。

 深冬は私が地面に腰をつける前に抱き支えると、豪奢な部屋の中へ運んだ。

 最高級ホテルの名にふさわしいやわらかさのベッドに下ろされ、無意識に身体がこわばる。

「今の話を聞いてたよね? あの頃の続きをするつもりなら、私……」

「わかった。これ以上はなにもしない。だから今夜は俺の側にいろ」

 言葉通りに命令だと思えたら拒めたのに、強い口調と違って彼の懇願は心細げに響く。

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