片恋
授業中、私は何度も延藤くんを見た。

話したくて、でも声は出せなくて、そのたびに口をつぐみながら。


いつ見ても、延藤くんは平気そうな表情でノートに向かっている。


……信じられない。
私は、少しも手につかないのに。


絶対に、誤解された。

教室中のみんなにも。

……伊月くんにも。


それを考えるだけで涙が出そうになって、この時間はずっと、グッと堪えるのに必死になっていた。
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