片恋
告白でもしたかのように、顔が熱い。

こんなんじゃ、本当に恋の告白なんてした日には、どうなってしまうのか自分が怖い。


伊月くんは口角を上げて、優しく微笑む。


「よかった。それだけ分かればいいんだ」


伊月くんはそれだけ言うと、再び私の手を取って、元来た道を歩き出した。


駅に戻ると、延藤くんの姿はどこにもなかった。
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