片恋
自然と、頬に涙が伝う。


私は、歌が終わるまで動けずに、そこに立ち尽くしていた。


「はぁ……、真桜ちゃん、本当に伊月のこと大好きだよね」


ため息まじりの延藤くんの言葉で、ハッと目を覚ましたような気持ちになる。


袖口で、慌てて涙を拭う。

延藤くんは、諦めたような笑顔を見せた。


「やっぱり勝てないんだな。真桜ちゃん、俺の動画見た時と、全然反応違うんだもん」

「あっ、ご、ごめんなさ……」

「いいよ、謝んなくて。もう、はっきりと分かっちゃったからさ」
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