片恋
「あー、マジでアホらし。俺って、結局なにに悩んでたんだか」


と、呟きながら、延藤くんは階段を降りていく。

そして、途中で振り向いて、


「また俺に取られたくなかったら、もう手を離すのやめれば?」


そう言い残し、延藤くんは「じゃあ」と、手を挙げて、もう立ち止まることはなかった。


その顔には、口元に隠しきれない笑みが浮かんでいた。
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