エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「あ」
彼が手を引っ込めるとひらりと床に落ちてしまい、私は慌てて彼から両手を離してしゃがみ込んだ。
名刺を拾い、顔を上げた時には、彼はすでに新海さんを引き連れて、部屋から出ていってしまっていた。
「……早っ」
独り言ちながら、ゆっくり立ち上がる。
いただいた名刺に目を落とし、
「瀬名純平。警察庁刑事局。警視正……」
そこに書かれていた情報を、噛みしめるように読み上げた。
日本の警察の階級制度はよくわからないものの、新海さんの警部より上なのは確かだろう。
見た目だけなら、瀬名さんの方が年下っぽいけど。
所属も、新海さんの警視庁と違い警察庁だから、噂に聞くキャリア・ノンキャリアというものが関係しているのかもしれない。
「……必ず、お礼いたします!」
私は名刺を両手の指で摘まんで額の高さに掲げ、背筋を伸ばして敬礼した。
と、そこに。
「おい。さっさと出ろ」
瀬名さんたちと入れ替わりで入ってきたのか、ものすごく不服そうな苦い顔をした田込さんが、素っ気なく促してきた。
「海外で同じことをしていたら、問答無用で現地で拘束、収監される。これに懲りたら、知らない人間からものをもらうなんて、軽はずみな行動は慎むんだな」
「っ、は、はいっ」
私は肝を縮ませながら、いそいそと交番を後にしたのだった。
彼が手を引っ込めるとひらりと床に落ちてしまい、私は慌てて彼から両手を離してしゃがみ込んだ。
名刺を拾い、顔を上げた時には、彼はすでに新海さんを引き連れて、部屋から出ていってしまっていた。
「……早っ」
独り言ちながら、ゆっくり立ち上がる。
いただいた名刺に目を落とし、
「瀬名純平。警察庁刑事局。警視正……」
そこに書かれていた情報を、噛みしめるように読み上げた。
日本の警察の階級制度はよくわからないものの、新海さんの警部より上なのは確かだろう。
見た目だけなら、瀬名さんの方が年下っぽいけど。
所属も、新海さんの警視庁と違い警察庁だから、噂に聞くキャリア・ノンキャリアというものが関係しているのかもしれない。
「……必ず、お礼いたします!」
私は名刺を両手の指で摘まんで額の高さに掲げ、背筋を伸ばして敬礼した。
と、そこに。
「おい。さっさと出ろ」
瀬名さんたちと入れ替わりで入ってきたのか、ものすごく不服そうな苦い顔をした田込さんが、素っ気なく促してきた。
「海外で同じことをしていたら、問答無用で現地で拘束、収監される。これに懲りたら、知らない人間からものをもらうなんて、軽はずみな行動は慎むんだな」
「っ、は、はいっ」
私は肝を縮ませながら、いそいそと交番を後にしたのだった。