奇跡〜だいすきなひと〜
「お昼食べ終わったらまた部屋来る?それか


俺行こうか?」


永遠くんがそう言ってくれた。てっきりこれ


で話すことなくなると思ってたからちょっと


嬉しかった。


「私来ますよ。」


部屋まで来てもらうの悪いし、、、


そう思って返したけど永遠くんは


「やっぱ俺行く!あかりちゃん車椅子なんだ


し安静にしてなきゃ。」


「安静にしてなきゃいけないのは永遠くんも


一緒なんじゃ、、、」


「俺はたいしたことないから大丈夫。様子


見てそっちいくわ。部屋どこ?」


「左隣です。」


「おっけ。あとあかりちゃんためでいいよ?」


「そんな永遠くんためなんて、、、
 

 年上なのに、、、」


私は身内以外の年上の人とタメで話したこと


がない。


年上の人には敬語で話す。それが当たり前


だった。だからすごく変な感じ。


「あかりちゃんっ。」


「永遠くん。来てくれてありがとうございま


す。あぁぁ、ございますじゃなくて来てくれ


てありがとう。」


「いいよ〜。」


永遠くんがお昼の時間が終わってすぐに部屋


へ来てくれた。


「永遠くんすごいね。」


「なにが?」


「初対面でしかも事故った相手とこんなに


気さくに喋れるなんて。」


「ごめん!」


「なんで謝るの?私、嫌だったわけじゃない


よ?」


「そう?それならいいんだけど、俺元々誰と


でも気さくに喋れるのが特技っていうくらい


なタイプでさ。つい普通のテンションで話し


ちゃうんだよなぁ。」


「いいじゃんそれ!特技だよそれ。」


引っ込み思案で人見知りの私とは正反対。


いいなぁ、私もそんな性格になりたい。


どうやったらそんなふうになれるんだろう。


今からでも変えられるのかな。


「あかりちゃん、院内散策しない?」


「いいけど私車椅子だよ?」


「俺が押すよ。だから、いい?」


永遠くんは目をキラキラさせてそう言った。


子どもみたい。かわいいなぁ。
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