むり、とまんない。
「ねぇねぇ不知火くん!
サイン書いて!」
「いいよ、ちょっと待ってね」
「不知火くんて、好きなタイプとかいる?」
「うーん、特にはないけど、ファンの子はみんな好きだよ」
「きゃあああ!」
うわぁ、すごい……。
よくあんなこと言えるなぁ。
たくさんの女の子に囲まれる中でもいやな顔一つせずに、優しい笑顔で対応する不知火くん。
まさに王子様、アイドルの鑑って感じ。
「不知火くんに対して、甘利くんは逆なの」
逆?
そう言ったあーちゃんの目線を辿れば、囲まれている不知火くんのすぐそばの席で。
「あ、甘利くん!
昨日の音楽番組すごくかっこよかった!」
「どうも」
「これ、良かったら甘利くんにって作ったんだけど、どうかな」
「悪いけど、他人が作ったものとか食べれない」
「っ!!」