むり、とまんない。
いつの間にやら連れてこられた場所は、どうやら出演者の人がメイクする部屋らしく、なぜか清見さんまでそばにいる。
にしても、学園ものってだけあって、ほんとうにどこかの学校行く借りて撮影してるんだ……。
「じゃあ、とりあえずこれに着替えてもらって!
メイクはあとでね!」
「じゃあ、胡桃!
あとでね!」
シャッとカーテンを閉められて、グイグイと押し込まれる。
え、これに着替えるの……?
置いてあったのは、やけにスカート丈が短いセーラー服。
白地に紺の襟、そして胸元の赤いリボン。
高校はブレザーだし、中学のときはスカーフだったからなんか新鮮。
それから渋々着替え始めたけれど、気分はめちゃくちゃ重い。
いくら監督さんに気に入られたとか言われても、あくまで私は一般人。
演技なんてもってのほかだし、セリフとかちゃんと覚えられるかな……。
ぜったいカチコチに固まっちゃう気する……。
それに、降りた女優さんの代わりって聞いたけど、どういう役なんだろう。
それに遥も。
メイクするって聞いてたから、遥も飛び入り出演なんだよね。