華の20代での余命宣告!残りの命でこの世界全て楽しんでやる！

北極

指定された時間に橋田空港につき、
初めての飛行機に乗った。
飛行機が離陸すると青い空に下に見える雲、
今から壮大な冒険をすると考えるとワクワクした。

長いこと飛行機に乗り降りたと思いきやすぐさま、大きな豪華客船に乗る。

そこで背の高い外人にエスコートしてもらいながら、ワインなどのお酒を嗜み
いい気分になっていると、

若干空気が肌寒くなってきた、
エスコートしていた外人から厚手のジャンパーを貸してもらい、外を見てみると、
地平線まで広がる雪景色、最初の目的地は北極だったのだ

海に飛び込むペンギンや、ホッキョクグマがたくさん見える。
その景色を見ただけで、
涙が溢れてきた。いけないと思い、
涙を止めようとするも目の前の壮大な景色と
自分の余命の現実が突き刺さり泣き崩れてしまい、気を失ってしまった。

次に目を覚ましたのは、
その旅行プランで途中に立ち寄るログハウス
つきっきりで現地のおばあさんが、
看病をしてくださっていた。

「すみません」
と謝り旅行関係者のところへ戻ろうとすると、おばあさんは、
「もう少しゆっくりしていき」
と優しい声で言った。

その方は元々日本の方で
数十年前に北極に移住したらしい。

「寝言を聞いたよ。」
「えっ、」
「あんた余命半年なんだってね可哀想に」

可哀想にとの言葉に少し傷ついたが

「私も30代の頃余命1年と言われた時があったね。」と語り出した。

「今や75にもなるってのに余命一年なんて
とんだ大嘘つきの医者もいたもんだ。」
と笑いながら喋っていた。

「ひとっつだけアドバイスするよ、いっぱいいろんな景色だったりを見て感動しなさい。恋をしなさい。夢を見なさい。今から半年後、まだこれやり残した〜なんて、後悔しなさい。そうしてくうちに体が半年で死ぬなんて忘れちまうからさ。そんなことしてるうちに70歳になるからさ。」

そんな言葉をもらってまたまた涙が出てきて胸の奥が暖かくなった。

旅行先の関係者の方が、
「伊東さーん、大丈夫ですかー？」と、
呼びに来たところで、

りさは
「おばあちゃん、ありがと！もう行かなきゃ！」

バタンと、ログハウスのドアを閉めて、
りさは去っていった。

そのログハウスで、奥からおじいさんが出て来て、おばあさんとこう話した。

｢婆さんと同じ病名だったじゃないかい。｣

｢そうね、半年でどうにか出来るかどうかはあの子しだいさ。｣

そんなことを知らずにりさは次の目的地へと向かうのであった。