俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「頑張って……」
顎の下で手を組み、もうウインドシアは起きないで!と祈りながら見つめる。
高度を下げて進入してくる機体は、羽を揺らしながらも機首はしっかり前を向き風に耐えていた。鳥の足のようなランディングギアが、慎重に滑走路に接近する。
車輪が確実に地面をとらえた瞬間、轟音と共に白いスモークが上がった。
機体はそのままランウェイを勇敢に進んでいく。雄々しささえ感じられるその様子を見て、私は思わず「やった!」と声を上げていた。
風にも負けない、見事な着地だった。これを毎日、何回も安全に行っているパイロットはやっぱり素晴らしいし尊敬する。
胸は高鳴っているのに陳腐な感想しか出てこないもどかしさを抱きながら、私は悠然と移動していくシップをしばらく眺めていた。
どのくらい経ったか、さすがに疲れが出てきたので帰ることにする。天澤さんもデブリーフィングが終われば帰るだろうし……といっても、また誰かと夕飯を食べてくるかもしれないが。
連絡してみるべきだろうかと、スマホを手に悩みながらエスカレーターで一階に降りたとき。到着ロビーがあるほうから歩いてくる男性に気づき、私は目を見開いた。