俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】

 三本線の肩章がついたシャツに黒いネクタイ、金のラインが入った制帽、その下から覗く冷たくも美しい瞳。堕ちない女性はいないのではと思うほど完璧な容姿の彼は、四日ぶりに会う同居人だ。


「天澤さん……!」


 制服姿がカッコいいのはいつものことなのに、今日はさらに魅力が増していて心臓が騒がしい。そんなふうに彼だけが輝いて見えるのは、あのランディングを見た直後のせいだろうか。

 足を止めて見惚れる私に、彼も気づいたらしい。その瞬間に目を丸くしただけで表情はほとんど変えず、機長になにか短く告げて、すらりと伸びた脚でこちらに向かってくる。

 え……え、なに? あなたが向かうべきなのはオフィスで、機長も同乗していたであろうCAたちもそちらへ行っていますが。

 ずんずんと近づいてくるので、私は一歩足を引き身構える。動揺しまくる私の目前まで彼が迫ってきたそのとき──背中に回された手で胸に引き寄せられた。

 一瞬、なにが起こったのかわからなかった。彼に抱き寄せられることなど、絶対にありえないと思っていたから。
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