俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】

「天澤さんがつらいときや疲れたとき、私が支えます。グチも聞くし、元気が出なかったら笑わせてあげるし、話したくないときは黙ってそばにいます。妻の義務感とかじゃなくて、なんか、やらなきゃ気が済まないんですよ」


 軽く笑う私を、天澤さんは真剣な眼差しでじっと見つめている。

 また〝そんな必要はない〟と言われたら困るので、さっき彼を待っている間に考えた方法で先手を打っておこう。


「契約内容に加えさせてください。〝妻は夫の心身の健康維持に努める〟って。これなら、天澤さんは同じことをしようとしなくて大丈夫でしょう? ただ私を頼ってくれるだけでいいんです」


 料理を作って彼を待っているのも、歩み寄るのも自由。見返りは求めないから、私の好きなようにやらせてほしい。

 そんな思いを込めて伝えているうちに、天澤さんの表情は笑みこそ浮かんでいないものの、いつの間にか鎧が剥がれたように柔らかなものになっていた。

 あまり見ない表情を私も見つめ返していると、彼は息を吐きながら口を開く。


「……蒼麻って本当に図太いんだな」
「ちょ、言い方」
「どうしてそこまでできる? 好きでもない男のために」


 茶々を入れたものの、単に疑問に思っている様子で問いかけられて考えを巡らせる。
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