音に祈りを!歌に願いを!



「ん?ここ、空押ししたら片手トリルで処理出来るね」

譜面をコピーしてもらった後、真空に案内された部屋で僕はペンを使って運手を組んでいく。

「……いつも、見てて思うんだけど……難しそうだね。譜面研究って」

僕が作業してるのを見ながら、悠はそう呟いた。

「んー……どうなんだろうね」

僕は、体をぐっと伸ばしながら返す。

今でこそ慣れたけど、数年前までは難しいって思ったし……。

「……陽音って、どの難易度から始めてどんな練習してたの?」

「……えっとね。エキスパの簡単なものから始めたよ……最初の頃は、エキスパの簡単なやつでさえフルコン出来なかったな……俺の場合は、クリアギリギリの譜面を遊んでから、普通にクリア出来る譜面を遊んで……っていうのを繰り返してた。後は、音ゲーの手元動画や解説動画とか見たりしたね」

「……なるほど……!俺も、練習したらうまくなるかな?」

「なれるよ」

僕がそう言って微笑むと、悠は「そっかぁ。いつか、陽音と対戦してみたいな!」とニコリと笑う。

悠の言葉に、僕は「そうだね」と返した。
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