音に祈りを!歌に願いを!
……えっと、もうちょっとしたら発狂が来るのか……発狂、繋げられるといいけど……願わくば、光らせたい。
実戦形式で、僕と悠は仮想空間に現れるシャドウと戦ってるんだけど、今回選曲されたのが……僕の持ち曲の中で、ボス曲になる曲だったんだ。しかも、マスター。
実はこの曲、手に入れたばかりだから運手組んでないんだよね。詰めてもないから、コンボが途切れる途切れる。
もう、無心でやるしかない。
僕は、画面の上から降ってくるノーツを何も考えずに捌いていく。
「……うん、初見よりかはコンボは繋げた」
演奏が終わったあと、画面に映し出されたリザルトを見て、そう呟いた。
悠に目を移すと、悠はシャドウの物理攻撃を避けると思い切り武器を薙ぎ払ってシャドウを吹き飛ばして、シャドウと距離を取る。
その後、悠は光の弦を掻き鳴らしてシャドウを浄化した。
「……お疲れ様。陽音、もしかして……その曲、まだ運手組んでないの?」
「うん。昨日マスターを解放したばかりだから……」
「昨日の今日だもんね……僕、ちょっと……その曲の譜面をコピーしたいから……その首飾り、借りてもいい?」
この施設では、持ち曲の譜面をコピーすることが出来るらしくて、譜面研究をする時は真空に頼んで譜面をコピーしてもらってる。
僕は「良いよ」と返すと、真空に首飾りを渡した。