獅子組と私
「花江じゃん!何やってんの?
………てか、この子可愛い~!何学部?」
「あ、私は━━━━━━」
「椎那さん、言わなくていいですよ!」
「え?でも……」
椎那が答えようとすると、花江がすかさず口を挟んだ。

「いいじゃん!教えろよ!花江」
「はぁー、教えてもいいけど、アンタ達じゃ足元にも及ばない人よ?」
そう言って、学生を見上げ睨んだ。

「はぁぁ?何言ってんの?」
「ねぇ、花江なんかほっといてさ!
俺達と遊ばない?」
「何学部なの?」
「名前は?何ちゃん?」
あっという間に椎那は取り囲まれ、質問責めにあう。

「あ、あの…私は学生じゃありません」

「は?意味わかんねぇ…」
「恋人がここの学生なので、会いに……」
「マジで!?」
「じゃあ、学生じゃないの?」
「はい。社会人ですよ!」
「マジで!?見えねぇ……」
学生達は、心底びっくりしている。

「皆さんは、花江ちゃんと同学年ですか?」
「そうだよ!」
「てことは、まだ二十歳か…!いいなぁ!」
「そう?」
「はい。飛鳥くんと同い年だから、羨ましい!」

「“飛鳥くん”?
…………って、まさか!」

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その頃の飛鳥達。

「あー、疲れたぁ~」
「だな…」
「久しぶりの朝からぶっ続けだもんね……」
「ねみーよ…」
四人共、欠伸をして教室を出た。

「早く、椎那に会いたい!電話しょっと!」
「フフ…ほんっと飛鳥は、椎那ちゃん“だけ”なんだな!」
「俺は気持ちわかるよ?」
「椎那ちゃんって、不思議だよな!
なーんか、心にスッ…て入り込んでくるんだよなぁ」
「そうそう!なんか、気になってしかたがないんだよね……」
一朗の言葉に、滉二が呟き空を見上げた。

「滉二、マジなの?」
一朗が問いかけてくる。
「椎那ちゃんは、やめとけよ!」
道彦も言う。

「うん、そうだね…」
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