強引でロマンチストなホテル王に溺愛されました。
「名前も候補はいくつか考えたが……依子はどれが良いと思う?」
「いくつかって、二十個は多すぎよ。もう少し減らしてから聞いてちょうだい」
「男の子かな? 女の子かな? この間の検診では分からなかったんだろう?」
「うん、丁度見えない位置になっていて……次の検診では分かると思うわ」
「可愛いだろうな。大きくなったら、色んなところに連れて行ってやるからな」
「そうね。しばらくは遠出は出来ないでしょうし」
そうして色んな未来を語っていく。
「依子の夢も、まだまだ全ては叶えられていないんだ。お前にも、この子にも、たくさんの景色を見せてやるからな」
結婚式のときにした約束を彼は今も守り続けてくれている。
それはこれからも変わりはないんだろう。
「うん。期待してるね」
だから私も守り続ける。
ずっとあなたのそばにいるという約束を。
ケントは私の髪を撫で、引き寄せた。
唇が触れあう。
今までも、きっとこれからも。
何度もするであろう誓いのキスをした。
【END】