光の向こうへ
「クラス楽しそうだね。」
今日は、午後から入学式があるため午前中で学校は終了。僕とはるかは共に帰宅していた。
僕が、思っていたことをはるかも思っていたらしい。僕らは、長い時間を共に共有してきたからかどこか考え方が似ている。
「そうだね。」
僕としては、はるかや太陽と同じクラスになり、今年一年楽しくなることを確信していた。

「おーい、お前ら先に帰るなよ」

うるさい足音と大声を放ち走ってくる大怪獣。振り向かなくてもわかる。

「太陽、うるさい。」
「お前は、本当にツンデレだな。たまには可愛い顔しろよ」
「なおちゃん、いとちゃんの前では可愛い顔してるよ」
「そっか…。お前、マザコンだったな。」
「黙れ太陽。」

他の人に話すとき以上に、太陽への当たりは強くなってしまう。それは、太陽が嫌いだからではない。むしろ、逆だ。太陽が好きで、信頼できる人物だからだろう。他のひとには、出せない部分を出すことができる。昔の名残という部分もあるが、太陽は数少ない素でいられる人物だ。
まあ、本人にはこんなこと死んでも言いたくないけど。

「てか、今日これから予定あるか?」

「僕はないけど。」

「いとちゃんのご飯食べにいくぐらいかなー。」

「二人分ないと思うけど?」

「昨日、いとちゃんに伝えてあるから大丈夫だよ」
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