光の向こうへ
そんな生徒の反応を見て、ニヤリと効果音が聞こえてきそうな表情を浮かべ話を続ける。
「特に渡辺。お前は問題児だと聞いている。シゴいてやるから覚悟しとけよ」

「うそん」

さっきまでの重苦しい空気が嘘のように教室に笑いが生まれた。
先生は、その流れでホームルームを締め括り教室を後にした。
先生がいなくなるのを見計らって太陽が吠えた。

「俺の一年は終わった」

「初日からさすがだねたいちゃん。ある意味尊敬するよ」

「変わるかはるか?」

「私、これでも優等生だから。」

「俺も優等生だぜ!?!」

「たいちゃんのどこにそんな要素があるの?」

周りからドッと笑いが起こる。僕もつられて笑みを浮かべた。

「なおまでわらうなんてひでぇ」

泣くふりをする太陽を見てさらに笑いが起こる。

太陽とはるかの会話は漫才みたいにテンポが良くて周りを楽しませる。2人ともエンターテイメント制に長けているのだろう。
2人を中心にクラスは、初日からまとまりつつあった。
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