神、恋に落ちる
「白羽…可愛い……可愛すぎて、おかしくなる俺…」
そのまま、口唇が重なった。

「んん……みこ…と…さ…もっと…」
「ん…可愛い…でもこれ以上は、マンションに帰ってからね」
「え……どうしてですか?」
「だって……」
命が白羽の口唇をなぞる。

「白羽のこんなエロくて可愛い顔……誰にも見せたくないもん。これは、俺だけが見ることができるんだよ?」

マンションに帰りつき、ベットルームに向かう。
ベットの上で、命の足の間に挟まれている白羽。
「命さん…キス…して……」
「フフ…可愛い…」
「早く……して…ください…」
「いいよ…もっと…俺を求めて…」
「ンンン……んふぅ…はぁ…もっとぉ…」
「白羽……可愛い…興奮してきたの…?」
「━━━━ことさ…」
「ん…?
白羽……泣いてるの?」
白羽の頬を両手で包み込んで言った、命。
指で涙を拭った。

「命さんは、私のどこがいいんですか?」
「どこ?全部だよ」
「嘘だ!今までの彼女さんとは、差がありすぎじゃないですか!?」
「今までの彼女?」
「はい」
「………って、誰?」
「え……?この前、一徹さんのクラブにいた人……
今までの彼女さんも、モデルやホステスみたいな綺麗な人ばっかだったんですよね?」

「“あれ”は、彼女じゃないよ。
……てゆうより、俺は“彼女”いたことないよ。
白羽が、初めての彼女だよ」

「……どうゆうこと…ですか?」

「てゆーか、いつ会ったの?」
命の雰囲気が、黒く染まっていく。

「“あれ”に、いつ、会った?
あれから会ったみたいな口ぶりだよね?」
「さ、さっき…トイレで……」
「それでか…それで、あんなにキスをせがんだんだね?」
「だって…不安で……」
俯く白羽。

「………はぁー」
「え……」
(ま、まさか!命さん、呆れてる……?)

白羽に一気に不安が押し寄せ、再度目が潤み涙が溢れてくる。
「命さん!!?ごめんなさい!!」

「え?し、白羽…!?
どうしたの!!?」
「あの女性に、私みたいな貧相な女を彼女に選んでびっくりしたって言われて……命さん、私とのセックスは物足りないんじゃないかって…!
いつもは、モデルとかホステスみたいな綺麗な人を選んでるのにって!
それで、不安になったんです!
ごめんなさい!
お願いですから、嫌いにならないでください!」

白羽は命のジャケットを握りしめ、懇願したのだった。
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