人を愛す僕と愛せない君
「変わっている人よね、あなた。こんな私のことを好きだってずっと言い続けて……」

そうブツブツ言い続ける雫の手を、灯は優しく取る。雫は驚いていたが、灯は真剣な顔のままただ雫を見つめる。

「三島さん、好きだ」

いつもなら数秒もしないうちに雫は「No」を口にする。しかし、二人きりだというのに雫は黙ったまま灯を見つめている。

そして、その距離はゼロになった。









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