青い時間はきみの中
「おー、CDいっぱいあるな」

「音楽の先生に話して借りてきました。僕はCD持ってないので」

「ええ……今どきだ……」

「先生、ここは高校で、僕たちは高校生ですよ。今どきですよ」

「このままここにいると、先生はショックを受けそうな予感がする。仕事して待ってるから、決まったら職員室に来てな」


音楽をかけるとうるさくなるからと扉を閉めて、そそくさと職員室に行ってしまった。


「…………」

「…………」


青木くんと、二人きり。うーん、ちょっと気まずいかもしれない。


「とりあえず座ります?」

「座ります」


速攻で頷いた。


立ってたら疲れちゃうもんね。座る座る。


コンセントのある壁に近いクラスメイトの机を四つくっつけて、わたしと青木くんの席、CDの置き場、CDプレイヤー置き場をつくる。


「千秋さん、付き合わせてごめんね。ほんとに時間大丈夫?」

「うん。ほんとに大丈夫」

「いつまで大丈夫? 区切り決めませんか」

「じゃあ五時まででどうですか」

「了解、五時までで。……あのさ、敬語じゃなくてもいい?」

「もちろん!」


話しにくいので全然構わない。千秋さん、なんて呼ばれるのも慣れない。
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