クラスの男子が全員、元カレだった件
9、元カレのことが好きで好きでたまらない件




翌日、バイト先に行くと、本当に三島志麻がいた。


休憩室で文庫本を読んでいて、私に気づくと、本を閉じて、休憩室を出て行った。


すれ違った瞬間に、香る三島志麻の匂い。匂いは記憶とリンクしていて、私はこの一瞬で、三島志麻との思い出すべてがフラッシュバックした。


速くなる胸の鼓動。畳みかけるように、波打って、苦しくって、胸の鎖骨辺りまでこみ上げてきて、パチンッと弾けたかと思うと、全身にふわっとした温かいものが広がる。


やっぱり私は今でも好きだ。三島志麻が一番好き。


17年間生きてきた中でも、まだ見ぬ未来の先でも、彼以上に好きになる人は、現れないことを知っている。


自分のことだ。知っている。



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