クラスの男子が全員、元カレだった件




「本当にそれで終わりでいいのかな?」


と母親ゆずりの癖が出て、長田治が顔を上げた。


「私はやっぱり、あんたと……いや、あなたと過ごした3日間は、4日にも、5日にも、一週間、いや、もっと続けばいいって思ってた」


「……僕も、同じ気持ちだと思う」


「それってこれからだってできると思う」


「……うん」


「コーヒー、飲めるようになったんだね」


「キミが言ったから。『コーヒーが似合いそう』って」


「そっか。それも私のために」


「うん」


「小説は何書いてるの?」


「いじめを苦に小説を書くことをやめてしまった女の子が、再び小説を書くことになる話。どんな悲惨な現実も、物語の中では、ハッピーエンドにできるから」



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