クラスの男子が全員、元カレだった件




学校に着いて、下駄箱を見ると、原稿用紙が1枚入っていた。


私はきっと長田治の小説だろうと思い、開いてみると、やっぱり長田治の小説だった。


『夜のパジャマはあんなに気持ちがいいのに、朝のパジャマはなんでこんなにも気持ちが悪いんだろう』


という書き出しから始まっていた。


本当にその通りだ。まるでパジャマ賢者とでも言うかのように、朝のパジャマの気持ち悪さったらない。


「なかなか面白い文章書くじゃん」


と口に出すと、後ろから「何が?」と聞こえて、振り返ると、キス魔河野浩介が立っていた。


「別に。あんたには関係ない」


「つれないな、和泉は」


「あんたにだけだって」



< 198 / 406 >

この作品をシェア

pagetop