クラスの男子が全員、元カレだった件
学校に着いて、下駄箱を見ると、原稿用紙が1枚入っていた。
私はきっと長田治の小説だろうと思い、開いてみると、やっぱり長田治の小説だった。
『夜のパジャマはあんなに気持ちがいいのに、朝のパジャマはなんでこんなにも気持ちが悪いんだろう』
という書き出しから始まっていた。
本当にその通りだ。まるでパジャマ賢者とでも言うかのように、朝のパジャマの気持ち悪さったらない。
「なかなか面白い文章書くじゃん」
と口に出すと、後ろから「何が?」と聞こえて、振り返ると、キス魔河野浩介が立っていた。
「別に。あんたには関係ない」
「つれないな、和泉は」
「あんたにだけだって」