クラスの男子が全員、元カレだった件




「待って!」気が付くと、私は当枝冬馬を呼び止めていた。


「……やっぱり、いいよ?」


当枝冬馬は頷いた。


そして、一緒のベッドに入る。二人で入っても、大きなベッドの前では、近づくことなく、私は当枝冬馬に背を向けて横になった。


すると、急に当枝冬馬は、私に後ろから抱き着いてきた。


「っ!」


「……ごめん。今日はこのまま寝かせてほしいだ」


首筋に当枝冬馬の吐息がかかる。くすぐったい。でも、ダメ。ここで振り返ってしまうと……。


わかっているのに。ダメだって、わかっているのに、振り返ってしまって……。


当枝冬馬とキスをした。短いキス。


当枝冬馬との初めてのキスだった。


それからすぐにもう一度キスをした。今度は長いキス。お互い両手を回して、夢中でキスをした。


そして、ああ、これから私はこの人といけないことをするんだ。


そう思うと、すっごく緊張して……。でも、止まらなくて……。



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