クラスの男子が全員、元カレだった件
「楽しい一年になりそうだね」
憂鬱な私の背後からそう声がして、振り返るとすっかり見慣れた憎たらしい顔があった。
「どこがだよ。絶対楽しくならないじゃん!」
と、私は声の主であり、旧友の青山碧に抗議する。
「そう? 私だったらハーレム気分で、毎日楽しいけどな」
と青山碧は、前髪をかき上げながら言った。
「ハーレムっていっても、元好きだった人たちで、元付き合ってた人たちの集まりだよ? 私の中ではすでに死んでる人たちなわけよ。いわば……」
と、私は口ごもった。いい例えが見つからない。
そんな時、青山碧は、
「あー、ゾンビ?」
と、今みたいにぴったりな例えを見つけてくれる。