クラスの男子が全員、元カレだった件
「そう、ゾンビ。やつらは私の中ではもうゾンビなわけよ。ハーレムどころじゃないの! バイオハザードであり、ウォーキングデッドなわけ!」
と、私は重ねて抗議する。しかし、青山碧は、「ふーん」とニヤニヤしながら、また前髪をかき上げる。
「とか何とか言って。内心色々期待してるくせに」
「は? 期待? 何に?」
「復縁、とか?」
「ないないない」と私は手を左右にぶんぶん、虫を追い払うみたいに振りながら答えた。
「復縁するくらいなら、別れてないって」
「わからないよ? 恋って猫みたいなもんだし」
「猫?」
「気まぐれってこと」
と、意味あり気にして、薄っぺらい言葉を残して、旧友はその場を後にした。