クラスの男子が全員、元カレだった件
さらに30分。計1時間半経ってから、重松茂は現れた。
やっと来たのに、私は今すぐにでも帰りたい衝動に駆られた。
それは、彼の服装だ。
「ねえ、重松」
「あ、おはよう。ごめん、遅れた」
「あ、うん。いいんだ、そんなこと。それよりも、その格好何? 戦争でも行くの?」
重松茂は、迷彩柄のTシャツにミリタリーパンツという格好で、カバンはグリーンのボストンバッグだった。
それぞれが別のものと合わせたら、おしゃれなんだろうけど、似た者同士を集めたものだから、ただの兵士にしか見えない。
「変かな?」
「うん。日本兵の生き残りにしか見えない」
「あ、じゃあ、上脱ぐよ」と言って、重松茂は、人目も気にせず、迷彩柄のTシャツを脱いだ。迷彩柄のTシャツの下には、白のタンクトップを着ていた。
「これなら、どうかな?」
「よし、着よう。今度はアメリカ兵士にしか見えない」