【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 いきなりの申し出で、アイリーンの脳内は真っ白になった。なぜ、こんな流れになるのだろう。目の前にイブライムの顔がある。そして、首元は赤く染まったまま。彼の喉仏がゆっくりと上下している。
「え、っと」
 アイリーンは視線だけを動かして、どこかに助けがいないかを探す。もしかしたら刺客でもいい。とにかく、この二人きりの微妙な状況をぶち壊してくれる誰か。だが、残念なことにどちらも見当たらなかった。

「とても嬉しいお誘いではあるのですが。他に相手がおりますので」
 やんわりと断る。と、同時に、断り方はこれでよかったのだろうか、という気持ちも沸いてきた。

「他に相手?」
 彼が聞き返してきた。
「誰だ?」

「あの。文芸部のルーク部長です」

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