【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 アイリーンにとってアスカリッドで受ける初めてのテストが終わった。フランシスのおかげとも言えるし、ノエルのおかげとも言える。なんとか、総合点数で五位になっていた。順位は掲示板に張り出される。個人情報なんとかというのは、関係の無い世界なのだ。
 テストの結果、一位はもちろんノエル。いつもはイブライムと競っていて、数点ノエルの方が良いという結果だったのだが、今回はノエルの外国語の点数が良かったため、二人の点数差は二十点程度になっていた。そのイブライムが二位。三位がジョアキナと並んでいる。
 アイリーンが五位になったのも、他の科目はそこそこ良いというレベルなのだが、外国語であるプーランジェ語の点数が満点だったからだ。この科目が他の科目と比べて、平均点が低い。だから、これが満点だったが故に他の科目をカバーした形になって、なんとかの五位。

「自国語なんだから、満点とって当たり前だよな」
 という言葉も聞こえてきた。すると。

「君たちは自国語の地理学や歴史学でさえ、満点をとっていないのではないか? 彼女は、異国後でそれらのテストを受けている。君たちは、プーランジェの言葉で地理学や歴史学の問題が解けるのか?」
 と言い出したのは、意外にもイブライムだった。それに対して反論できる者はいない。自国語で書かれたそれらだって満点取るのは難しい。まして、その問題がプーランジェ語で書かれていたとしたら。考えなくてもわかる。
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