【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「この時間なら、まだ部室に誰も来ていないと思うんだけど。ちょっと座って話をした方がいいわよね」

 頷く。大好きなアディ先生が友達の叔父というだけでも驚きなのに、その大好きなアディ先生が自分に会いたいと言ってくれている、ということが信じられない。夢かもしれない。だから、立っていたら夢の世界に行ってしまうかもしれない。
 いつの間にか部室についていた。案の定、誰もいない。

「よかった、誰もいない。リーン、座って」
 促されて座る。半分、夢の中。
「リーン、とりあえず飲んで」
 いつの間にか、目の前にお茶が準備されていた。ノエルに促され、一口飲む。熱い液体が喉元を過ぎて、お腹の中へと流れていく。この熱さは、夢ではないのかもしれない。

「リーン、大丈夫?」

「なんとか。信じられませんが」

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