【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 アデライードが座るように言うので、彼と向かい合ってソファに座る。アイリーンの隣にノエル、ノエルの向かい側にはシエラ。つまり、アデライードとシエラが並んで座っているわけだが、なるほど姉弟というのも頷ける。
 執事らしき人がお茶を淹れてくれ、そのお茶とお菓子を四人の前に並べてくれた。

「どうぞ、遠慮なく食べてちょうだいね。そして、リーンちゃん。今日は本当に来てくれてありがとう。あなたに会いたかったのは、これ」

 これ、と言ってアデライードが手にしていたのは、文芸部の部誌。

「無理言って、カミラちゃんからもらってきたのよ。急に月雲の注文が入ったって聞いて。カミラちゃんのところでバカ売れし始めたみたいじゃない。どんな売り方したのかって聞いたら、これを教えてもらってね」
 アデライードは部誌をパラパラと開く。
「この月雲の紹介ページ。よくまとまっているわね。そして、本当に読み込んでくれている。私が伝えたかったことが、ここに凝縮されているのよ」
 作者であるアディから、こんなことを言われると恐縮してしまう。
「特にね、目を奪われたのがここ」
 アデライードが指したのは、アイリーンが描いたロイドのイラスト。
「私の中で思い描いていたロイドが、ここにいたの。それでね」
 そこでアデライードは首を傾けた。
「リーンちゃん。新装版の表紙を描いてみない?」
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