【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 それが挿絵です。とアイリーンは思うが、この世界の本は絵本以外絵が無いのが普通。
「リーンちゃん。月雲の新装版のために絵を描いてください。お願いします」
 アデライードが頭を下げた。
「あの、アディ先生」

「アディって呼んで」

「でも、月雲のお話として受けるのであればアディ先生です」
 アイリーンも負けていない。そして、アデライードは仕事の話をしている。
 アデライードはやんわりと微笑んで言った。
「そうね。リーンちゃんの意見も尊重しないと。こちらは無理なお願いをしているわけだから」

 ノエルは心配そうにアイリーンの顔を覗き込む。でもその心配は杞憂に終わる。アイリーンの目が力強く光っている。
「私でよければ、是非とも描かせてください」

「リーンちゃんが良いの」

「アディ先生。その変わりと言ってはなんですが。一つ、許可をいただきたいことがあるのです」

「いいわよ、言ってみて」

「あの。月雲シリーズで二次創作する許可をください」

「にじそうさく?」
 アデライードが聞き返した。

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