【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「それは難しい問題だな。だが、オレの中ではデートと認識されている」

「では、私の中ではデートと認識いたしません」
 その言葉にイブライムは、笑いをこぼした。
「オレはどちらでも構わない。人が少ないところで、こうやってリーンと出掛けられれば」

「それで、どちらに行かれるのですか?」

「美術館」

「美術館?」

「だって、リーンはこの国の文化を勉強しに来たんだろう? だったら、美術館や博物館などは、見ておいた方がいいのではないか?」

「そうですね」
 アイリーンはにっこりと微笑んだ。そう言われると、アスカリッドの美術館を訪れたことは無い。ノエルとのお出かけも書店が主だ。アスカリッドの絵画を見れば、アディから頼まれている絵の参考になるかもしれない。
「楽しみです」
 そうこぼすと、イブライムは嬉しそうだった。
「そうか。本当はどこに行こうかものすごく悩んだんだが、そう言ってもらえると嬉しい。観劇がいいのか、どこがいいのか。結構、悩んだんだ」

「イブ様でも、お悩みになるのですね」

「オレだって、悩むことくらいある」
 ちょっと、拗ねたようだ。

< 189 / 365 >

この作品をシェア

pagetop