【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「リーンは今日も可愛いね」

「モイラの腕が良いのです」
 そんな会話をしつつ、食堂へと向かう。そこにはモントーヤ伯とその息子のランスロットがいた。簡単な自己紹介をすると、食事はつつがなくすすむ。

 ランスロットは王都で騎士団の騎士として働いているが、ちょうど交代制の長期休暇中で、この領地に戻ってきていたところらしい。
 だから宰相である父親がしょっちゅう会っている、というのは納得できる流れ。
 そういえば、この敷地内に自動車を駐車しようとしたら、二台程自動車がすでに駐車されていたことを思い出す。一台はモントーヤ伯のものだろう。ということは、もう一台がランスロット所有のものであると推測できる。

「アイリーン嬢は、隣国へ留学されるとうかがっておりますが」
 ランスロットがアイリーンに向かって尋ねた。

「はい、アスカリッドの方へ二年ほど」
 アイリーンが目尻を下げて答える。

「理由を伺ってもよろしいですか?」
 誰もがその理由を問うてくる。そのたびに同じような回答を、何度もしてきていた。
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