【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 イブライムが真面目に聞いてきたため、ノエルもうーんと唸ってしまった。アイリーンが好きそうな芝居ってどのようなものだろうか。文章を読んだり絵を描いたりするのは好きなようだが、芝居の話はしたことがなかった。
 でも、ノエルにはとっておきの情報があった。

「今すぐでなくてもいい? 多分、公演は三月(みつき)先なんだけど」

「ああ、彼女が楽しんでくれるなら、いつでも」

「じゃ。公演日が近くなったら、私の方で席をとっておくわ」

「できれば、ボックス席がいい」

「わがままね。わかったわよ。ただ、人気の公演になると思うから、イブの希望が通らなくても文句は言わないでね。それよりも、イブ。卒業パーティの件、リーンにきちんと伝えたの?」

「言った」

「で?」

「了承してもらえた」

「すごーい。進歩したじゃない」

「うるさい」
 そこでイブライムは顔を赤く染め、額に右手を当てた。

「エルはそうやってすぐに人をからかう」

「だってー。面白いんだもん。あのイブがこんな風になるなんて」

「ジョアも同じようなことを言っていたな。一体、お前たちの中でオレはどんな風に思われているんだ?」

「そんなの、教えるわけないじゃない」

 ノエルは立ち上がった。

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