【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「私、文芸部のほうに顔を出すから。あとはイブ。一人でできるでしょ?」
 イブライムはひらひらと右手の甲を振ってノエルを追い出した。生徒会室に一人。ジョアキナと一年の役員は会場の確認でホールの方に行っている。イブライムはこの生徒会室で書類仕事。それをノエルが手伝ってくれていた。アイリーンは、今日は生徒会の仕事を手伝えない、と言っていた。ノエルに聞いたところ、例の出版関係の手伝いがあるらしい。生徒会の仕事を手伝えないことを「本当に申し訳ありません」と謝っていた。真面目なアイリーンのことだから、きっと今も気にしていることだろう。ノエルから事情を聴いているから、気にはするな、と言ったところで無駄だろうなと思っている。

 そして先日、卒業パーティにエスコートさせて欲しいと伝えたところ、今回は快く承諾してくれた。アイリーンのイブライムを見る目がかわってきているのは確かな事実。
 だが、それ以上どうしたらいいのかがわからない。きっと学院を卒業したら彼女はプーランジェに戻ってしまうのだろう。


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