【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「何? 甘美小説が好きって話? 大丈夫よ、聞いてたし」
 え、聞いてたの? 一体この人はどこから人の話を聞いていたのだろうか。まさか、例のどこにいるかわからないという護衛の仕業か?
 アイリーンは首を振り、周囲を見渡す。

「大丈夫よ、今は。他には誰もいないから」
 今は、って言った、今。今は、って。今じゃないときはやっぱりいるのか。むしろ、いたのか。

「そうね。むしろアスカリッドに甘美小説を流行らせたのは私だし」

「え?」

「だって。甘美小説って面白いでしょう? こう、心がわくわくするというか、揺れるというか」

「はい。その気持ちはわかります」

「物語の中くらい、夢をみたっていいわよね」

「はい。おっしゃる通りです」

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