【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「何か、見えるか?」
 イブライムの声はなぜか楽しそう。

「幕しか見えません」
 答えたら、腕をぐいっと引っ張られてしまった。そのままバランスを崩して、尻もちをついた先がイブライムの膝の上。

「あの、イブ様?」

「特等席」

 なんという特等席だろうか。イブライムの膝の上。立ち上がろうとしたら、腕を掴まれその場から逃げることができない。後ろから両腕を回され、アイリーンのお腹の前でそれが組まれている。がっちりホールド。

「そろそろ幕が上がる。ここからでも充分見えるだろう?」

「はい、見えますが」

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