約束の指にキスして。
どれくらいこうしていたのか。

1日じゅう桔平と愛し逢って、目が覚めたとき。
時間は9月2日午前5時をさしていた。
私は、目をこすって少しだけ左上を見上げる。
桔平はまだ眠っているようで、私を抱きしめたまま長い睫毛を伏せている。


こう言う時間が好き。

何気ないじかん。

桔平の寝顔。

吐息。


私だけのもの。


でももうすぐ…

他の人のものになってしまう。


不意に涙が込み上げて桔平の胸に顔をうずめると、下腹部に僅かな痛みが走った。
< 450 / 526 >

この作品をシェア

pagetop