約束の指にキスして。

ゃさしさ。

『瑛梨…食えって。ほら。』

『…………。』

カチャとスプーンを置く音が、だだっ広い部屋中に響いた。
健司はため息をついて、私の隣に腰を下ろす。

私は…込み上げる涙を抑えきれず、ポタポタとキッペーの毛に落ちていく。

『しっかし無駄にひれーな、この家。』

健司は上をみやりながら、私に呟く。
健司は私から桔平が離れていって30分後、ここに駆けつけてきた。
何故だか分からないけれど、健司は全てをしっていて、1人ベッドに残された私を優しく抱きしめてくれた。

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