キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

外どころか廊下に出るのも億劫な気候。

自然とみんな教室に溜まるようになった。


「はい、サオの負けー。あたしはミルクティーね」

「俺はココア」

「俺、コーヒー」


昼休みにジャンケンで負けた私は、代表して飲み物を買うことになった。


寒いからなるべく外に出たくないのに……。

えーっと……愛良がミルクティーで、辻堂くんがココア、星野くんがコーヒーだよね。


最初は愛良と2人で買いに行こうとしていたんだけど、「ついでに」と星野くんが頼んできたので、急遽ジャンケン大会を開催。

それで私が負けた。



昼の購買部は生徒たちでごった返している。

学校で唯一昼ご飯が買える場所だから。


そこを通り過ぎて、外へ出たところに自動販売機が置いてある。


ガラス張りの戸を開けると、凍てつく風が身体を刺した。寒い。

< 193 / 273 >

この作品をシェア

pagetop