ちょうどいいので結婚します
「あー、でも何とかしてやりたい!」

 と、咲由美がくだを巻き始めた頃、良一が解散するかと、切り出した。千幸も同意した。さっきから咲由美は同じ話にループして、生産性がない。

「酔ってるな」
「うん。いつの間に」

 咲由美は白熱するあまりにどんどんお酒を進めたらしい。
「おい、咲由美、彼氏が迎えに来るんじゃないのかよ。そんな酔ってると会っても寝てしまうんじゃないのか。今日は断ったらどうだ」
「嫌よ、ずーっと遠距離で会えなくてやっと会えるんだから!」
「ごめん、良ちゃん、さゆ、私のせいだ」
「気にするなって。記憶飛ぶくらいじゃないだろうし。店出て風に当たるかあ」

 良一はレジが混んでいるのを見ると、千幸に自分の財布を渡して支払いを任せ、先に咲由美と外へと出た。

 千幸は賑やかなところから一人になると、ぼーっとしてしまった。二人に功至とうまくいかなかった事を話して、少しは安堵した。後は両親にも話さなければならない。年末年始で毎日顔を合わせる両親に、どのタイミングで伝えたらいいのだろうか。

 まだ、ほんの少しの可能性を期待して話すのを引き伸ばしたい気持ちになる。引き伸ばしても、状況が変わることはないとわかっているのに、自分の往生際の悪さに落ち込む。

 支払いを終えて、外に出るとどうやら咲由美の恋人が迎えに来ているようだった。羨ましい、千幸は咄嗟にそう思ってしまった。よく見えないが素敵そうでますます羨ましい。
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