ちょうどいいので結婚します
千幸は、功至が自分との結婚を快諾してくれたことをどうしても先に功至に確認しておきたかった。でないと、この日一日普通に過ごす自信がないからだ。
他の人に見られても功至に迷惑がかからないように駅で功至が出勤してくるのを待った。そこから会社までの間だけでいいから、少し話がしたかった。
ところが、いくら待っても功至は現れず、一人会社へ向かうと功至はもうそこにいた。意識している自分とは逆に、何もかもがいつも通りで、本当に功至が自分との結婚に『乗り気』なのか疑うほどだった。
昼食も、自分の声をかけてくれたのかと思ったが、そうではなく、自惚れたことを恥じた。ランチはとても美味しかったし、一緒に行った妹尾さんも柏木さんも話しやすくて、楽しかった。
ただ、功至が結婚のことで自分に話しかけてくれると期待が大きかっただけに気持ちの落差が大きかった。
遠目に見た功至は、千幸にはいつも通りに映り、何てことないようないつもの功至だった。
「今日俺、手空いてるから、仕事まわして」
そう言ってくれてドキリとしたが
「あ、はぁい。すみません、じゃあこれとこれ。最終確認までご自分でお願い出来ます?」柏木さんが、功至にファイルされた物を一式渡すのを見て、また自分にではなかったことを恥じた。
「あ、ああ。はい」
もう、彼の言葉を全部自分に向けてだと思うなんて、意識し過ぎて恥ずかしい。千幸はそれ以上意識しないように努力した。
他の人に見られても功至に迷惑がかからないように駅で功至が出勤してくるのを待った。そこから会社までの間だけでいいから、少し話がしたかった。
ところが、いくら待っても功至は現れず、一人会社へ向かうと功至はもうそこにいた。意識している自分とは逆に、何もかもがいつも通りで、本当に功至が自分との結婚に『乗り気』なのか疑うほどだった。
昼食も、自分の声をかけてくれたのかと思ったが、そうではなく、自惚れたことを恥じた。ランチはとても美味しかったし、一緒に行った妹尾さんも柏木さんも話しやすくて、楽しかった。
ただ、功至が結婚のことで自分に話しかけてくれると期待が大きかっただけに気持ちの落差が大きかった。
遠目に見た功至は、千幸にはいつも通りに映り、何てことないようないつもの功至だった。
「今日俺、手空いてるから、仕事まわして」
そう言ってくれてドキリとしたが
「あ、はぁい。すみません、じゃあこれとこれ。最終確認までご自分でお願い出来ます?」柏木さんが、功至にファイルされた物を一式渡すのを見て、また自分にではなかったことを恥じた。
「あ、ああ。はい」
もう、彼の言葉を全部自分に向けてだと思うなんて、意識し過ぎて恥ずかしい。千幸はそれ以上意識しないように努力した。