雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
神崎さんは、私がさっき行ったコンビニに寄って、結局、私のアイスまで買ってくれた。
本当に申し訳ない。
それに、私を責める事はしなかった。
1駅前になれば、声を掛けたらいいよね。
その間、本を読んでいたら、あっという間に着くし・・・

「朝比奈、朝比奈!」
「はっ、はい!」
「俺、乗った時、なんて言ったっけ?」
「えーっと、お前が起きて、俺を起こせよって」
「それで?この状況は何?」
前の電子版に表示されていたのは、『上野』だった。
「す、すみません」
「ほんとに、この先が思いやられるわ」
神崎さんは頭を抱えていた。
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