雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
「万里さん、俺らの話ばっかりでごめんね。車で、万里さんと津田は、仕事で知り合ったって言ってたけど、こっち長いの?」
「私も津田さんと同じ頃に来たんです。だから、色々と話し聞いてもらったりして、それで私の方から告白して」
「津田さん、こんな美人の彼女さんだったら、心配ですね」
「まぁね。でも、しっかりしてるから、神崎のような苦労はないよ」
「それはどういう意味ですか!」
私がふくれっ面をしていると、津田さんは微笑んで
「奥さんになっても変んないなぁ、朝比奈。神崎、心配だろ?」
「危なっかしさは、成長してないよ」
「成長してますよ!」
私が更にふくれっ面になると、万里さんが笑ってた。
「万里さんが津田さんの傍にいてくれて、良かった。安心です」
私の言葉に、万里さんは照れ笑いし、津田さんを見ていた。
「そろそろ出ようか」
食事も終わり、津田さんの言葉で、お店を出ることにした。
4人でショッピングセンターを少し歩き、津田さんと朝陽さんが何か2人で話をしていて、その少し後ろから、万里さんと私で歩いていた。

★言えなかった秘密の思い出★

「美咲さん」
「はい」
「津田さんのこと、好きじゃなかった、ですよね」
「・・・好きの意味をどうお伝えしていいか難しいんですけど、津田さんは、私にとって尊敬する、大切な人の1人です」
「そう、それなら良かった」
「どうしてそんなこと聞くんですか?」
「・・・突然変なこと聞いてごめんなさい。実は津田さんね、まだ付き合ってない頃、ずっと心に思う人がいるんだって言ってて。ある日、ちらっと見えた携帯の画面に、ソフトクリームを食べてる女の人が見えたの。髪型と目元しか見えなかったけど、美咲さんに似てたから、今日会った時、びっくりしちゃって」
もしかして、あの時の・・・
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