天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ジェラルドがディートハルトに茶を勧め、彼は遠慮なくそれを口に運ぶ。緊張しているのか、はぁと息をつくのがミリエラにもわかった。

 しばらくの間は、天気の挨拶だの共通の知人の近況だのと社交辞令をかわす。

 ミリエラは目の前のお菓子に気を取られているふりをしながら、ディートハルトの様子を観察していた。

(ええと、ディートハルト殿下は七歳、だったよね……)

 ミリエラより二歳上。中身が成人女性のミリエラはともかく、七歳でこれだけしっかり社交上のやりとりができるとは。

(カークに同じことができるかって言ったら、難しいと思う)

 王家の教育はかなり厳しく、そしてディートハルトはその中でもかなり聡明な方なのだろうと想像する。王族というのは、大変なものらしい。

「それで、今回、侯爵の領地にお世話になることになったのは――僕はマナを持っていないからなんだ」

「殿下も?」

 思わずミリエラは身を乗り出した。

 十人にひとりは、マナを持っていないというが、ミリエラが会うのは、オーランドに続き二人目である。

「ミリエラ嬢は、他にマナを持たない者を知っているのか?」

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