天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 それだけではない。めざとい商人の中には、ハンカチではなく保冷布そのものを仕入れに来る者もあらわれた。保冷布そのものは、ジェラルドの魔道具を扱っている商会を経由して、商人達に卸すこととなった。

 この地は、王都に次いで錬金術師や魔道具師が多く暮らしているから、この地から全国に広がる新しい発明品も多いらしい。そのため、この地の動向に常に注意を払っている商人もいるそうだ。
 そのためか、保冷布の生産が追い付かないほどで、ミリエラ達は嬉しい悲鳴を上げることになった。

「ミリエラ。まだ、やらないといけないことがたくさんあるだろう。そうだ、私にも、スライムの魔石にマナを注ぐ方法を教えてくれるかな?」

 ミリエラは、他人のマナの流れを見ることができるという特別な目を持っている。

 ジェラルドは、ミリエラにマナの量を調整してもらいながら、スライムの魔石を崩すことなくマナを注ぐ方法を身に付けるつもりらしい。以前何度か試してはみたが、完全に身に付けるところまではいかないのだ。

(パパを、こういう風に働かせたかったわけじゃないのになぁ……)

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